「級地」と生活保護費
地域間の物価水準の差による不公平を無くすため、生活保護支給額は地域別に設定されています。
本記事では、各地域の支給額を算出する際の基準となる「級地制度」について詳しく解説しています。
これから生活保護を申請しようとされている方や、引っ越しを検討されている方は是非ご参考にしてみてください。
生活保護費の算出方法
生活保護の支給額は、地域ごとの物価・生活水準を考慮して決定されています。
例えば、東京都は他の地域と比べて物価や家賃が高いため、支給額もそれに応じて高く設定されています。
もう少し細かく説明すると、市区町村毎に設定された「級地」によって生活保護費が異なります。
例えば、東京都八王子市は1級地なので130,010円支給されます。一方で東京都西多摩郡は3級地なので109,330円しか支給されません。
更に、生活保護費の種類によっても金額の決定基準が異なるので、下記にて分けて説明いたします。
そもそも、生活保護費は「生活扶助」と「住宅扶助」に分かれております。
生活扶助は、日々の生活に使うお金として支給され、住宅扶助は家賃として使うお金として支給されます。
それぞれの金額決定基準について下に整理したので、ご確認ください。
生活扶助費の詳細基準
生活扶助は、級地により金額が異なります。(下記は20代~40代単身世帯の金額)
- 1級地-1 : 76,310円
- 1級地-2 : 73,720円
- 2級地-1 : 71,460円
- 2級地-2 : 71,460円
- 3級地-1 : 68,430円
- 3級地-2 : 66,940円
1級地-1と3級地-2では、自由に使える生活費が約1万円も変わってきます。
生活扶助費を借金の返済にあてること以外は、使途の制限はされていません。
住宅扶助費の詳細基準
住宅扶助は、級地に加え、都道府県によっても金額が異なります。
例えば、東京都の1級地と広島県の1級地では金額が異なります。
全国の金額を記載するのは難しいので、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の金額を下記に記載します。(下記は単身世帯の金額)
東京都
- 1級地 : 53,700円
- 2級地 : 45,000円
- 3級地 : 40,900円
神奈川県
- 横浜市 : 52,000円
- 川崎市 : 53,700円
- 横須賀市 : 44,000円
- その他1級地 : 41,000円
- 2級地 : 41,000円
- 3級地 : 41,000円
埼玉県
- 1級地 : 47,700円
- 2級地 : 43,000円
- 3級地 : 37,000円
千葉県
- 1級地 : 46,000円
- 2級地 : 41,000円
- 3級地 : 37,200円
住宅扶助に関して注意が必要なのですが、住宅扶助は大家さんへ支払われるお金です。節約して安い物件に入居しても、ご自身はその差額を貰うことは出来ません。また住宅扶助以上の金額の物件に入居している場合、ケースワーカーより引っ越しの指導がされます。
簡単に級地を調べる方法
このように、住んでいる場所によって生活保護受給額が大幅に変わります。
下記サイトに各都道府県の級地情報が纏められているので、ご自身が住んでいる土地や、引っ越し予定の土地を、一度確認してみて下さい。
https://seikatsu-hogo.net/
住居を変えることは容易ではないですが、級地によって受給額が変わるので、是非理解しておいてください。
ご自身が生活保護を受給する際の受給額を、知りたい方がいらっしゃれば遠慮なくご連絡ください。
また、On Reliefは東京、埼玉、神奈川を中心に活動しております。
関東圏へお引っ越しされたい方は是非一度ご相談下さい。